南都隣山会が大震災の義捐金募金箱を設置

このたびの東日本大震災に対して、奈良の六つの寺で構成する南都隣山会が3月15日(火)に義捐金募金箱を設置しました。このことはとても良いことだと思います。

私は常々、

「各社寺の祈りは、多くの人のために天下泰平・万民豊楽をお願いするもの」「宗教は、人の心に働きかけ、より良く生きていくことを支援するもの」

だと思っています。その意味で、奈良の社寺には、大震災で犠牲になった方々への鎮魂と、被害に遭われた方々への勇気づけの行動をしていただきたいと思っています。

ホームページにみる各社寺の意思表明

奈良県の主な社寺が各ホームページ(HP)で東日本大震災に関してどのように触れているか調べてみました。以下は3月17日(木)24時現在の内容です。一部の社寺について、トップページに書かれていない等のため、私の見落としがあるかもしれません。その時はご容赦ください。

東大寺・・・・・管長メッセージの掲載

非常に思いのこもった素晴らしいメッセージ。

いつも万民のことを思っていることが、このような心を打つメッセージを発する源になったのでしょう。

また、3月12日に沢山の参拝者が来る「お水取り」の行事があったことも、メッセージ発信のきっかけになったのかもしれません。

春日大社・・・・お見舞いの掲載と、大祓詞による萬度祓の実施

         萬度祓は一般の方の参加も呼びかけています。その点がとても良いと思います。

長谷寺・・・・・お見舞いのメッセージと初七日の法要実施

         初七日の法要を行ったということが、寺らしくて納得感があります。

壺坂寺・・・・・お見舞いの掲載

吉野金峯山寺・・義捐金募集の掲載

興福寺・・・・・五重塔ライトアップ中止の掲載

17日時点では、参拝者へのライトアップ中止への了承依頼のみでしたが、遠からずお見舞いの言葉が掲載されるはずと信じています。

他の主な社寺では、大震災についてHPに何も掲載していません。どこの社寺でも神様や仏様に犠牲になった方のご冥福を祈り、現在避難している人には少しでも早く元の生活に戻れるよう祈って下さっていると思います。しかし、それがほとんどの社寺のHP上では見えてこないのです。

社寺はITに弱い(?)

神社さんやお寺さんは昔からのことにタッチすることが多く、ITには強くないのだろうと推測します。自分でHPへのコメント掲載もあまりできないでしょう(私もできません)。HP制作の委託業者さんに頼んでお見舞いの言葉を掲載しようとしても、業者さんが忙しくてすぐに対応していただけないのかもしれません。

しかし、祈りの言葉や、生きる勇気を与えるメッセージなどは、社寺が主として担うべき分野のものと私は思います。その意味で、お経が版木で印刷されることによって急激に広まったように、ITを駆使して、神様仏様の「全ての人を救いたい」という気持ちを伝え、広めていって欲しいのです。

奈良の社寺にお願いしたいこと

奈良の社寺には、次のことを是非していただきたいです。

@各社寺で、出来るだけ速やかに、HP上に被災者へのお見舞いのメッセージを掲載していただけませんでしょうか。

A奈良の社寺が一緒になって、一般の方も参加できる、鎮魂と勇気づけの祈りの場を設けていただけないでしょうか。実施場所はそれぞれの社寺で良いと考えます。奈良の社寺が一丸となって、国民の幸せのために祈り、心に働きかけるということが大切だと思います。