よくある質問
本『迦陵頻伽 奈良に誓う』に関していろいろの質問を受けますが、その中でも多いのは次の4つです。
①貴一の家の旅館『幸せの宿 わだち』は実際にあるのか?
②小説を書くきっかけは何だったのか?
③「奈良に誓う」の誓うとは何を誓っているのか?
④次の作品はいつ出るのか?
『幸せの宿 わだち』は実在?
残念ながら実在しません。こんな宿があったら良いなという思いで書いたもので、まったくの架空の宿です。場所は近鉄西ノ京駅から唐招提寺へ行く途中のあたり、建物は瓦屋根の美しい日本家屋をイメージしました。場所が薬師寺と唐招提寺の間にあって、料理が美味しい宿であれば、泊まってみたいですよね。
小説を書くきっかけ、書き続けられた理由
小説『迦陵頻伽 奈良に誓う』を書くきっかけは、家内が唐招提寺でボランティアの説明の方から「お祈りしても願いを聞いてくれない弥勒如来」の話を聞いてきたことです。家内がその話を本に書こうとしたのですが、書き始めた文章を私が読んで、ちょっと文章に難があると思い、私が代わって書くことにしたのです。なお、その後、家内の文章力は悪くないと思うようになったことを付け加えておきます。
書き始めたきっかけは上記の通りですが、出版するまで8年もかけて書き続けられた理由も述べることにします。私は現役のサラリーマンですから、人並みか、多少は人並み以上に忙しく働いていました。その私が休日や寝る前のわずかな時間に小説を書き続けられたのは、仕事からそこに逃避していたのではなく、小説を書くことが仕事への熱意を掻き立ててくれるものだったからです。小説の題材が鑑真和上ですから、どんな苦しくても挫けず頑張り通すことを教えられていたのだと思います。
「奈良に誓う」の誓うとは?
「奈良に誓う」の誓うとは、最終ページに「二人は協力して奈良に素晴らしい『幸せの宿』を作っていこうと誓い合った」と書いてありますから、このことのように思えるかもしれません。確かにそれは具体的行いとして誓い合ったことではあります。しかし、本当に私が言いたかったこと、あずさの言葉として誓わせたことは、あずさが弥勒如来に言った「祈らせてください。誓うことをさせてください。精一杯生きて行きます」ということです。
次回の作品はいつ出るのか?
「続編が読みたい」「次回の作品はいつ出るのか」というコメントもよくいただきます。まず本『迦陵頻伽 奈良に誓う』の続編を書く気はありません。あずさにヨーロッパ駐在の話が出てきますので、少なからずの人が続編があるのではと思うようですが、あずさは貴一と一緒に「幸せの宿」を築いていこうと約束するのですから、あそこでこの物語は完結です。
続編でなく、まったく別のものとして次なる作品を書きたいとは思っています。しかし、私はいろいろな仕事を今もしていて何やかやと忙しいです。仕事の合間を見つけて、作品の構想や情報収集などをしていくようにしますので、気を長くして次回作を待っていて下さいますようお願いいたします。