お寺の話ばかりでは
この「鏡清澄の最新情報」は唐招提寺と奈良の情報を核に発信していますので、お寺の話が多くなり、抹香臭くなりがちです。お寺の話ばかりでは疲れてきますから、今回はちょっと話題を変化させてみます。
ならまちの元林院町
奈良の市街地には「ならまち」と呼ばれる一角があります。場所は猿沢池の南から南西にあたるところで、古い街並みに資料館や土産物店、そして飲食店などが点在していて、散策路として楽しめます。イメージとしては飛騨高山の三之町界隈をもう少し素朴にした感じでしょうか。
「ならまち」には町名が元林院町(がんりいんちょう)というところがあり、かつて奈良の花街として栄えていました。大正時代には舞妓さんや芸妓さんが200名ほどいたと言われています。戦後、花街は寂れていたのですが、近年「ならまち」の注目度アップと歩調を合わせるかのように、舞妓さんや芸妓さんが復活してきています。
ならまちナイトカルチャー
奈良では2008年の秋から、春と秋に「ならまちナイトカルチャー」と銘打って、狂言、雅楽、落語などの伝統芸能の催しが日替わりで行われてきましたが、今年からは真夏にも開催されました。私は8月11日(木)に行われた『元林院花街の舞と唄』という催しに行ってきました。場所は猿沢池の近くにあります「ならまちセンター」の市民ホールです。
三味線に唄、そしてお囃子を聴きながら、舞妓さん・芸妓さんの優雅な踊りを観賞しました。金の屏風を背にして舞う姿、青畳を模した舞台の上での裾裁き、良かったです。唄は奈良の題材が採り入れられ、踊りは季節感溢れるものでした。
また、幕間には舞妓さんの髪型や帯などについての簡単な解説もあって、花街に関する知識の吸収ができました。「カルチャー」らしい構成で面白かったです。
料金は500円とリーズナブルで人気が高く、ホールの300席は満席でした。関係者やホテルの宿泊客にチケット枠を与えているためでしょうか、私は先着100名の事前予約でなんとか入場できました。
曲目と舞妓さんの写真
11日に唄い舞われた曲目は次の通りです。花街に出入りしている人にはどんな唄か分かるでしょうし、出入りしていない人にも、その題名から唄の雰囲気が推測できるのではないでしょうか。私の率直な感想としては、歌詞がなかなか艶っぽいものがあるなと思いました。
①古都の風情、②岸の柳、③夏は蛍、④春夏秋冬 縁かいな、
⑤四季の山姥、⑥潮来あやめ、⑦奈良音頭
写真撮影は禁止でしたので、踊っている姿や三味線演奏などの姿を撮影することはできませんでした。その代わり、舞台が終了してからホール出口のホワイエで舞妓さん2人(菊弥さんと菊千栄さん)の写真撮影がありました。私も記念に撮影し、「目をつぶった写真でなければホームページに掲載しても良い」との許可をいただきましたので、その写真をアップします。