鑑真和上の1250回忌

今年2013年は唐招提寺の開祖・鑑真和上が亡くなられて1250年となり50年に一度の大法要が行われます。唐招提寺では「鑑真大和上1250年御諱(ぎょき)」と呼んでいます。

ただ、ちょっと私が分からないのは、なぜ2013年で2012年ではないのかということです。鑑真和上は日本へ到着したのがシチゴサンと覚え易い753年で、それから日本で10年間仏教を広めて763年に亡くなりました。普通、人が亡くなっての何回忌というのは満の年数でなく数えの年数で行うはずですから、どうして鑑真和上だけ数えでないのだろうと不思議に思います。今度、唐招提寺へ行ったときに理由を聞いてみる積りです。

1250年御諱の記念事業

<鑑真和上坐像のお前立造立と公開開始>

唐招提寺では1250年御諱の記念事業として、国宝である鑑真和上坐像のお前立を造って公開することにしています。お前立は分かり易く言えば身代わりの像で、国宝の坐像は劣化を防ぐために常々一般に公開できないため、代わりに模造の像を日ごろ拝んでいただこうというものです。

お前立は既に出来上がっていて、お前立が安置される本願堂の解体修理が現在進んでいます。修理完成後の本願堂は開山堂と呼称が変更され、通年お前立が公開されるようになります。今年の6月7日(金)に開山堂・御影像(お前立)が開扉となります。また、この日は講演会や能「鑑真大和上」が境内で行われる見込みです。

<夏と秋に御影堂特別公開>

例年ですと唐招提寺の御影堂が公開されるのは開山忌の6月5日から7日の3日間だけです。この時しか間近に国宝の鑑真和上坐像を参拝し、東山魁夷さんの雄大な襖絵を拝観できません。

しかし1250年御諱の今年は、開山忌の特別公開が6月5日(水)から9日(日)の5日間と日数が拡大されます。さらに秋には10月5日(土)から7日(月)の3日間特別公開されます。いつもですと御影堂内が非常に混み合って、ゆっくり国宝の鑑真和上坐像と対話したり東山魁夷さんの絵を観て感動に浸ったりすることがなかなかできませんが、今年の秋はそれができそうです。