たまの陽気に誘われて
雪の多いこの冬もようやく終わり近くなり、たまに暖かい日があるようになってきました。その陽気に誘われて先日、車で奈良県の明日香村へ行きました。いつも明日香村へ行く時は国道24号線から169号線というコースをとるのですが、今回は桜井市経由の旧山田道を走りました。
桜井市から間もなく明日香村へ入ろうというところで、途中に矢印とともに「山田寺跡」と書いてある標識がありました。まだ行ったことがなかったため興味をそそられ、そちらへハンドルを切りますと、そこには広々とした空き地がありました。
広々とした山田寺跡地
奈良市内の平城京跡には大極殿や朱雀門などが再建されていますが、ここは片隅に小さな古寺があるだけで、あとは冬枯れした草の生えているとても広い空き地でした。野球場が何面もできる広さです。草地と晴れ渡った空、そして遠くに丘と民家。大きな空間が感じられました。
空き地の中央は1メートルくらい高くなってあり、金堂の基壇と思われます。その南側に「史蹟山田寺阯」と彫られた石柱が立っていました。「阯」とは「あと」の意味でしょう。
飛鳥資料館にある連子窓
寺の周囲には回廊があったとのことです。特に東の面の回廊は建物ごと西に倒れたらしく、発掘調査で昔の姿がきれいに出てきました。発掘された柱や連子窓(れんじまど)は保存処理をされて、明日香村の飛鳥資料館に展示されています。かつて私はそれを見て、よくこんな状態で発掘されたものだなぁと感心した覚えがあります。
山田寺仏頭
山田寺と言えばすぐに思い出すのが、奈良の興福寺国宝館にある「旧山田寺仏頭」です。この仏頭は文字通り首から上だけの像であり、拝み観る角度によって受ける印象が大きく変わります。専門家に撮られ、国宝館で販売されている仏頭の写真でも、素晴らしいものは、ある方向から適切な角度で撮影されたものだけのように感じます。
この仏像については、私の先輩の文聞亭笑一さんが編集発行していますメルマガに、私が権藤梅次というペンネームで6年ほど前に投稿した記事がありますので、それを若干だけ修正して次の「最新情報」に掲載させていただきます。