イカ刺を食べに函館へ
イカ好きの知人に誘われて函館へ行きました。函館はかつて北海道へ行ったときに寄っていず、今回が初めての訪問です。函館市の魚はイカとのことで、到着した日の夕方に新鮮なスルメイカの刺身を沢山食べました。食べたところが居酒屋さんだったからでしょうか、イカは姿造りではなく、身がソーメンの形で出されました。活き活きして甘みがあり、美味しかったです。
イカの他には、翌日食べたジンギスカンが味と値段の両面で大満足でした。
素晴らしい陸繋島の函館山からの夜景
函館で楽しみにしていましたことのもう一つは函館山から見る景色です。旅は好天に恵まれ、昼に函館山へ登ったら、展望台から函館市街が遠くまで綺麗に見えました。函館山のある場所は、沿岸流などで運ばれてきた砂の堆積によって海岸と結びついた陸繋島であり、函館の街は陸繋砂州の上にできているため、街の両側に青い海があり、市街は人の首筋、えりあしのようでした。
夜景を見ようと夕方にもう一度山頂へ行きました。日が落ち、次第に市街が薄い闇に包まれていきます。そして少しずつ灯りが点いていき、だんだんと輝きを増していきます。スターダストという言葉がありますが、その言葉のように素晴らしい煌めきです。両側に暗い海があるだけに、一層光が明るく美しく感じられました。
ホテルへ戻って高層階のラウンジへ行き、ウィスキーを飲みながら外の景色を長い間見ていました。函館湾の周りの灯りと、函館山から降りてくるロープウェイの灯りに旅先の夜を実感しました。
上から見た五稜郭
歴史的に有名な五稜郭へ行きました。事前に旅のガイドブックなどを見ていかなかったために、五稜郭タワーというものがあることを私は知りませんでした。タワーに登って、と言ってもエレベーターでアッという間に登ったのですが、上から眺めましたら、五稜郭が五角の形をした城郭であることが明確に分かりました。しかもそれぞれの角の部分が菱の形で外側に突き出ていて、攻めてくる敵を寄せ付けない構造になっています。これまで頭の中では五角形の城だと知っていた積りですが、タワーの上からこのような城郭を実際に見下ろして、鮮烈な印象を受けました。
北海道の縄文遺跡
家へ帰るべく函館空港へ行きました。飛行機搭乗までの時間、土産物店を覗きながら空港内を歩いていましたら、空港のイメージとは懸け離れたものを見つけ、驚きました。それは函館空港の滑走路延長工事の時に発見された縄文時代前期の遺跡の資料展示コーナーです。沢山の住居跡や土器・石器が発掘され、パネルでの説明や現物展示がなされていました。展示物は函館空港遺跡群の中野A・B遺跡のものが多かったです。
私は北海道に古代遺跡があるとは思っていませんでしたから、吃驚しました。しかし、考えてみればアイヌの人たちは昔から北海道に住んでいたわけですし、アイヌ以外の人が生活して、それらの遺跡があっても不思議でありません。当然とも言えます。
帰宅後、たまたまページをめくった雑誌に、北海道で最初に国宝になった物の写真と説明が掲載されていました。それを見て、私はまたまた驚きました。北海道最初の国宝は函館市著保内野(ちょぼないの)で発見された縄文時代の中空土偶であったのです。中空土偶とは、中が空洞になっている土偶で、函館で発掘されたものは高さが約40センチメートルもの大きなものでした。
北海道と考古学、これまで思ってもみなかった組み合わせに気持ちが昂ぶりました。