奈良県東部の宇陀市大宇陀には、大きな枝垂れ桜の「又兵衛桜」、極寒の朝に綺麗な朝焼けが見えるという、柿本人麻呂の歌碑がある万葉公園(かぎろいの丘)、薬問屋などが並ぶ重要伝統的建造物群保存地区の松山地区など、観光に良いところがあります。

遠方から奈良へ観光に来る人で大宇陀まで足を運ぶ人は少ないと思いますが、個性派の旅好きには興味がそそられる場所です。そのような大宇陀で、上記の名所以外の魅力のスポットを3つ紹介いたします。

1、大亀和尚民芸館

万葉公園の北西方向、かなり急な坂道を登って行くと松源院という寺があり、その斜め向かいに大亀和尚民芸館があります。大亀和尚とは京都の大徳寺のお坊さんで花園大学の学長もした立花大亀師のことです。

立花大亀師は松源院を再興し、自分が保有していた美術品および民具を一般に公開展示する民芸館を作ったのでした。

民芸館に展示されている物で私が興味深かったものは、1階の民芸品コーナーにある、綿から糸を縒り、布を織るまでの一連の道具、2階の美術品コーナーでは沢山の素晴らしい抹茶茶碗です。

人間国宝に認定された陶芸家などの作品が陳列されています。

また、話の種になる物としては、「月の石」が展示されています。私は疑り深い人間ですから、こういうものは展示しない方が良いなぁと思うのですが、かつて松源院にアメリカ人のお坊さんが住んでいて、そのお坊さんの友人であるアポロ宇宙船の関係者が石を持って来たとの説明を、人から聞いたことが有ります。

2、陶灯「陶工房 釉」

古い建物が多くある松山地区に「陶工房 釉」という店があります。この店の入り口横には「陶灯」と書かれた陶器が掛けられていて店を見つけ易いです。

店内には陶器を作る工房と、左手の薄暗い部屋の作品展示室があるのですが、作品展示室がとても幻想的です。円筒形や毬のような形をした陶製の置物に細かい穴が無数に作られていて、中から光が発せられているのです。

灯りは多くの明るい点を生み出し、点の連なりは線になってビルや観覧車を表したりしています。床には花の影ならぬ光の花が咲いています。

陶器から発せられる光の映像は、見る者をメルヘンチックにさせ、今がクリスマスイブのような気持ちにさせます。

3、酒蔵カフェ 久保本家酒造

大宇陀で昼食の場所として私が好きなのは、「初霞」という酒を造っている久保本家酒造の「酒蔵カフェ」という店です。名前の通り酒蔵がカフェになっていて雰囲気が良く、珈琲やランチ、3種類のお酒の利き酒セットなどが楽し めます。

私が食べたランチは冷しゃぶがメイン料理で、お酒とつまみも付いて 割安でした。

場所は松山地区の南の方で、道の駅「宇陀路大宇陀」からも近いです。歩い て3分くらいです。

 
陶灯1
陶灯2
酒蔵カフェの店内
酒蔵カフェのランチと追加注文の濁り酒