1.今年の正倉院展
今年(2016年)の正倉院展は、10/22(土)~11/7(月)に奈良国立博物館の東新館と西新館で開催されています。どういうわけか全17日間の開催であり、例年の20日間に比べて3日短いです。
主な展示物としてはペルシャ風の水差し「漆胡瓶(しっこへい)」、華やかな大型の織物で一部が欠けている「大幡残欠」、非常に細かい歯の象牙の櫛「牙櫛(げのくし)」、二彩の皿「磁皿」などです。
また、展示コーナーの終わり近くには、奈良時代の福祉施策に関する調査結果書類や、写経所で写経する人が休暇などの処遇改善を上申する下書きの書類が展示されていて、古代史ファンには興味深いでしょう。
会期中無休で、基本的に9:00~18:00の開催(入場は閉館の30分前まで)です。
2.見学のノウハウ
秋の奈良の雰囲気が満喫できる正倉院展ですが、近年は大変な人気で、休日などは2~3時間待ちも少なくありません。そこで、私の経験からの「正倉院展見学のノウハウ」を以下の通り紹介いたします。
①見学は平日がお勧め
土日および祝日は非常に混み合います。入館までに長時間待たされますし、ゆっくり展示物を見ることができません。正倉院展の見学は平日を強くお勧めします。
②時間帯は夕方が良い
10:00~15:00は混雑がピークになり、しばしば入場制限されます。閉館前の1時間が、ゆっくり見ることができます。また、金・土・日・祝は特別に20:00まで開催していますから、週末に見学する人はこの 18:00~20:00がお勧めです。なお、最近はオータム・レイト・チケットという夕方から入場できる割引券が発売されますので、割引券の入場者が来る前に見学するのも良い手です。
③雨の日であればさらに良い
遠方から正倉院展を見学に来る場合はなかなか天候を選り好みできませんが、可能であれば雨の日が良いです。雨であれば観光客の出足も鈍りますから、その分だけ博物館の中の混雑度も少なくなります。
④車で奈良に来ない
秋の行楽シーズンは道路が大渋滞します。特に奈良国立博物館の前は車が動きません。車で奈良に来ない方が良いです。
⑤入場券は事前に購入しておく
正倉院展期間中の奈良国立博物館は入場券購入窓口と入場口が分かれていて、入場券を持っていないと二度、長い列の後に並ばなければなりません。近鉄の主要駅などで入場券を売っていますので、事前に購入してください。なお、開催初日の前日まで販売している前売券は100円安いです。
⑥昼食は早めにレストランへ行って食べる
昼食時、国立博物館周辺のレストランや食堂は非常に混み合い、長時間待たされます。三人以下の少人数や食事予算金額が少ない場合は、ほとんど予約が出来ません。国立博物館から離れたレストラン等へ早めに行って食べることをお勧めします。
⑦見学には音声ガイドを利用する
正倉院展では展示物の概略説明が掲示されていますが、文字が若干小さく、見学者で混んでいる時は読みづらいです。展示物についてより詳しく知ろうという場合は、入場して直ぐのところで音声ガイドを520円で貸してくれますので、これを利用すると良いです。
グループで見学に行った時などは、音声ガイドに従って展示物を観たり場所を移動したりしていくと、グループメンバーがあまりバラバラにならないですむメリットもあります。