私が奈良のお菓子の土産として以前から購入したり人に勧めたりしていた物は、桜井市・三輪の「みむろ最中」でした。現在も「みむろ最中」はお気に入りですが、奈良には可愛いお菓子もあり、親しい友人へのちょっとしたプレゼントに良いのではないかと思い、紹介いたします。 なお、これらの土産は近鉄奈良駅の地下の土産売り場などで容易に購入できます。

① 大和郡山市・菊屋の「金魚すくい」(箱入り)

大和郡山市は金魚で有名な街です。そして菊屋は大和郡山市にある老舗の和菓子屋です。一口で食べられる粒餡きなこ餅の「御城之口餅」が人気の店ですが、ここが面白いパッケージの土産品を売り出しています。

縦横それぞれ6センチメートル強、厚さ2センチメートル強の大きさの紙箱に、金魚鉢の中で泳ぐ金魚の絵が描かれ、箱の左隅には首に赤いリボンを付けた黒猫が描かれています。箱の両側に付いている紙の取手を左右に引くと、箱の中央が開いて、金魚鉢の中に赤や黄やその他の色の琥珀糖で出来た金魚がいるのが見えます。緑色の水草もあります。

鉢の中にいる金魚をもの欲しそうに見つめている猫の後ろ姿がとても可愛らしいです。甘い物好きの人間が、甘い物を食べたいなぁと思っている心情を描いているようで微笑んでしまいました。

琥珀糖は砂糖を溶かした寒天を干して作った菓子で、食べると外側の砂糖で固まった部分がホロリと砕けて中は柔らかいゼリーのような感じです。菊屋は従来「きんぎょすくい」を袋に入れて販売していました。箱入りの「金魚すくい」はパッケージが大変可愛く、土産にあげたら喜ばれるなと思いました。

なお値段は、中身が28グラム入りの箱が1個税込み500円です。

② 奈良市・砂糖傳 増尾商店の「奈良こんふぇいと」

奈良市ならまちにある砂糖傳 増尾商店は江戸時代末から続く砂糖の専門店です。ここが作って売っているお菓子に「奈良こんふぇいと」と名付けられた金平糖(こんぺいとう)があります。

味は米飴味、黒糖味、珈琲味、梅味、ブルーベリー味、大和ほうじ茶など10種類以上あって、誰さんには何味をあげようなどと選ぶ楽しみがあります。そして、自分もこの際食べようと思って煎茶味の「こんふぇいと」を口にすると、昔懐かしい「とげとげ」感が舌を通じて蘇ってき、少し後に煎茶の味が口に中に広がってきました。

このお菓子もパッケージが奈良らしくて良いです。縦横それぞれ約8センチメートル、厚さ3センチメートル強の小箱で、1箱にそれぞれ奈良らしいイラストが描かれています。例えば、仏像(大仏や阿修羅)、建物(二月堂や正倉院)、風景(ならまちや若草山)、動物(鹿)などです。店頭で販売していた「奈良こんふぇいと」の箱のイラストが何種類あるか数えてみたら10種類ありました。

価格は、中身が40グラム入りの1箱が税込み540円です。

③ 御所市・井上天極堂(てんぎょくどう)の「葛もち」

御所市の井上天極堂も江戸時代末に創業した吉野本葛の店です。奈良市の東大寺の近くに直営店の「天極堂 奈良本店」を出しています。高価な本葛そのものを固形物や粉末で販売しているのですが、簡単に吉野の本葛を楽しめるものとしてお菓子の「葛もち」も土産コーナーで売っています。

多くの土産店でよく見る「くずもち」は葉書きや単行本の大きさの箱にドンと1つ入っていて、食べる時はそれを小さく切らなければならないのですが、天極堂の「葛もち」は1人で1個食べられる大きさの「食べきりサイズ」です。これが、1個売りから始まって、2個の袋入り、そして5個から15個の箱入りまでセット販売されています。

葛もち1個が入った簡易ケースの下には、餅にかける黄な粉と黒蜜が入った小袋2つが付けられています。少し冷やして食べると、もちっとした弾力、黄な粉と黒蜜の上品な甘さ、涼しさ、それらが歯や舌から感じられ、暑い季節にピッタリです。

価格は、2個セットの袋入りで税込み432円です。パッケージのユニークさよりも「中身が大切」という人には、こちらをあげると良いでしょう。