①電車のドアは前方1両目しか開かない

JR天理駅から桜井線の2両連結の電車に乗って巻向駅に向かいました。巻向駅が近付くと、車内放送で電車のドアが前方1両目しか開かない旨が告げられ、私はあわてて前の車両に移って下車しました。運賃支払いは社内の運賃切符箱へ切符を入れるか、駅改札口のICOCA精算機にタッチするかのどちらかです。無人駅にICOCA精算機がポンとあるのは面白いなと思いました。

②今も行われている発掘調査

巻向駅から標識に従って箸墓古墳の方へ歩き出しました。細い道を二、三度、右に曲がり左に曲がって行くと、七人ほどの人が茶色い地面の上で働いているのが見えました。地面には白い線が引かれ、穴が掘られています。発掘調査をしているのです。そういえば、ここは巻向古墳群の場所だったと思い出しました。ほとんどニュースでしか見たことがない発掘調査が、目の前でごく普通に行われていることに少なからず驚きを感じました。

③静かな箸墓古墳

箸墓古墳は満々と水を溜めた濠の向こうに黒い森となって見えました。地図によれば東側が後方の円墳であり、西側が前方の方墳です。しかし北側の横から見る限り、前方後円墳と認識するのは難しいです。

西に回って濠と古墳を見ると、古墳は黒い木々の生えた二つの丘となって横たわり、静かな濠を従えています。濠は箸墓大池と呼ばれているものです。そして東の青く晴れた空には三輪山が緑の流麗な姿を見せています。

邪馬台国畿内説によれば、この箸墓古墳が邪馬台国の女王であった卑弥呼の墓と言われています。古墳の築造年代が卑弥呼の没年に近いこと、および後円墳の大きさが魏志倭人伝に書かれているものとほぼ同じであること、がその根拠となっているようです。

濠が切れ、古墳の丘裾のぬかるんだところを歩いていくと、宮内庁によって第7代孝霊天皇の皇女、倭迹迹日襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の墓とされている陵墓の拝所がありました。

④ひすいCafé

巻向駅からそれほど歩いていないのですが、箸墓古墳の傍にとても素晴らしいカフェがあったので、そこで休憩をしました。店名は「ひすいCafé」です。建屋は大きなガラスで囲まれ、店内からも箸墓古墳と大池が見えます。外のベランダ席からは古墳と大池だけでなく、耳成山や畝傍山、そして遠くには二上山まで見えます。文字通りのビューポイントです。

敷地内には糸魚川ヒスイの装身具の店や、ヒスイで勾玉(まがたま)を磨く体験工房などがありました。なお、水曜日が定休日とのことです。

⑤昼食どころ「三輪そうめん山本」

箸墓古墳から西に歩いて行き、国道169号線に出ました。そこは「箸中」の交差点で、すぐ近くに「三輪そうめん山本」があります。ここはそうめんを販売している場所ですが、売店の奥がレストランになっていて、「冷やしそうめん定食」や温かい「にゅうめん定食」が食べられます。そうめんだけでは軽いですが、柿の葉寿司などが付いていますので、お腹も落ち着きます。