① 長谷寺へバスで

近鉄・長谷寺駅の改札口を出ると、驚いたことに奈良交通の「長谷寺門前」行のバスが停まっています。まもなく発車とのことなので、立ち客も多いバスに急いで乗り込みました。

今後バス路線を開設すべきかどうか実証実験的な臨時バス運行だそうです。駅から長谷寺までの往復に急な坂道を歩かなければいけないと覚悟していた私は、ラッキーと喜びました。

バスの乗車口で料金を受け取っていたバス会社社員が、社内へ入ってきて乗客に告げました。

「このバスは参道を通らず、桜井浄水場の方へ迂回して長谷寺門前へ行きます。所要時間は約25分です。道路の渋滞状況によってはもっと時間がかかるかもしれません」。

25分もかかるのであれば、歩いてもそう変わらないじゃないか、バスを降りようかと一瞬ためらっていたら、バスが発車してしまいました。

乗客がいっぱいで蒸し暑いバスでしたが、試験バスのお陰でこれまで見たことがなかった初瀬ダムも車中から見ることができました。

② 藤、ツツジ、牡丹が出迎え

長谷寺門前の駐車場は仁王門のすぐ傍で、バスを降りると石垣の上に藤、ツツジ、牡丹が咲いています。

早速、花が出迎えてくれたことで嬉しくなりました。奈良県には「花の寺」と呼ばれる寺が数多くありますが、この長谷寺はその代表格と言っても良いと思います。

③ 牡丹と登廊

長谷寺は牡丹で有名です。特に長い登廊(のぼりろう)の両脇に色取り取りの牡丹が咲いている情景は、よく観光ポスターの図柄になっています。

花の写真を撮るなら早朝にというのが定番ですが、今回は所用があって、少し出遅れました。そのため、せっかく旬の赤い牡丹も暑い日差しに少し疲れが感じられました。

ともあれ、長谷寺の牡丹の写真を撮るべくシャッターを押しました。

④ 本尊の十一面観音が一般公開

長谷寺の本尊は十一面観音、より厳密には十一面観世音菩薩立像です。日頃は秘仏で公開されていませんが、牡丹の咲く現在は一般公開されています。

高さが約10メートルという大きな木造の観音様で、金箔がほどこされていて、像の足元から見上げると、迫力があります。

⑤ 次々といろいろな花が

懸け造りの本堂の前の舞台から周囲を見渡すと山の新緑が綺麗です。長谷寺の多くの塔頭の瓦屋根が眼下に木々の緑と共に見えます。

長谷寺の伽藍を巡っていくと、次々と色々な花が咲いていて、とても素晴らしいです。

ハナミズキに供養されている五重塔、シャクナゲ咲く写経殿、梅心院の土塀に沿って咲くオオデマリ、山吹越しに見る本堂などです。

沢山の写真を撮りながら春爛漫を満喫しました。