① 「いざない館」は奈良時代について触って学べる

いざない館は新施設の中で最も広い建物で、内部には平城宮に関しての展示室が続いています。

フラッシュさえたかなければ自由に写真撮影ができるのが良いです。

展示はおおよそ次のようなものが繰り広げられていきます。平城京が都を造営する場所として適していると述べた「平城京遷都の詔」が掲示され、平城宮の全体模型が展示され、大極殿の大きな構造体が置かれています。

壁面には万葉集の一部の歌と解説が書かれ、奈良時代の役人の生活ぶり、平城京の自然や小鳥などの絵も描かれています。

私が特に興味深かったのは、平城宮の全体模型です。奈良時代、第一次大極殿とは別に、その東側に第二次の大極殿が建てられていたのです。

聖武天皇が平城京から都を恭仁京や信楽や難波に遷(うつ)そうとして実現できず、結局平城京へ戻ってきた時に第二次大極殿を建てたそうです。

また、いざない館の良いところは、かなりの展示物に実際に触って、体験学習できるところです。遠足で来ていた小中学生は、建物の柱の組み物の組み合わせや屋根の瓦葺きなどに挑戦していました。私もやってみましたが、小中学生のカンの良さには対抗できませんでした。

② 概要把握後、復元施設を見学

いざない館で平城宮の概要を把握後、平城宮跡に点在する復元施設を観ると良いです。

平城宮跡の全敷地面積は甲子園球場の30倍もありますから、歩くと大変疲れます。

みはらし館にはレンタサイクルがありますので、それを利用するのがお勧めです。

復元施設で是非観ていただきたいのが、まず手前の朱雀門です。宮の正門にあたります。次に古代の式典などを行った第一次大極殿です。ここには天皇が座るときに使用するものと同じ高御座(たかみくら)というものが設置してあります。

大極殿から南の朱雀門の方を眺めると、平城宮の広さを実感するでしょう。次に東院庭園を見学してください。

ここには古代の庭と建物が復元されています。そして、この記事の(1)で書いた「うまし館」の傍にある復元遣唐使船にも忘れずに乗ってみてください。

また、考古学に関心があれば、奈良時代の役所の建物跡である遺構が、発見当時の状態で保存・展示されている遺構展示館や、奈良文化財研究所による発掘調査の成果を紹介している平城宮跡資料館などを巡るのも勉強になると思います。

奈良文化財研究所は、木札に文字を書いた、昔の文書とも言うべき木簡(もっかん)の研究で有名なところです。