保山耕一氏の奈良の浄らかな映像(2)
上映会は図書情報館の千田稔館長の開会挨拶で始まりました。そして、作品上映の合間々々にシンガーソングライターの大垣知哉氏の司会で、保山氏と前春日大社権宮司の岡本彰夫氏の対談が行なわれました。各人の話で特に印象深かったことは次の通りです。
イ)【千田氏】保山さんの映像は綺麗でも美しいでもなく、浄らかなのです。
(ちなみに私(鏡)が家で調べてみましたら、「浄」とは「きよい」、「けがれない」、「澄んでいる」、「(仏教用語で)迷いから解脱(げだつ)した意」とのことでした)
ロ)【保山氏】直腸がんで余命1年と言われ、現在5年目です。退職し、大好きな奈良の情景を日々撮影してユーチューブに載せるようにしたら、観た人から感謝のメールが来て、人の役に立っていることが実感でき嬉しかったです。
ハ)【保山氏】奈良を撮影して最初の年の桜は「来年この桜は見られるだろうか」という気持ちでした。
現在は、落ちた花びらが来年や再来年にまた花となって咲くと思うようになりました。そのため、「最近撮った桜は、明るい感じがすると思います」
ニ)【岡本氏】神社や寺への奉納の舞とか奉納演奏とかは、神様の方へ向いて行うべきで、拝観者に向かってすべきものではないのです。
ホ)【岡本氏】長年奉職していた春日大社の溝の美しさ、浄らかさに気付いていませんでした。保山さんの映像でそれを知りました。
へ)【大垣氏】奈良のコミニュテイ放送である「ならどっとFM」の経営を支援するため、岡本先生、保山さん、そして私の3人で、ノーギャラで「岡本彰夫の奈良 奥の奥」という番組に出演しています。
②関係者の協力が光った上映会
災害発生時に非常に有益なコミニュテイ放送の経営支援や、大垣氏のCD宣伝、その他について、会場にいるスタッフも含め関係者が協力して奈良と種々の活動を盛り上げていこうという気持ちが伝わってきた、心温まる作品上映会でした。