①蓮の種類と蓮花の写真
唐招提寺本坊の庭に置いてある蓮鉢は、門扉に鉢のナンバーと配置場所、蓮の種類や花の特徴の一覧表が掲示されていて、蓮についてよく理解できます。
いろいろな種類の蓮があるものだと感心してしまいます。
寺の開祖の鑑真和上が中国から持って来たという「唐招提寺蓮」、千葉県の2000年前の古代遺跡から実が発掘され発芽に成功して有名になった「大賀ハス」、山口県西円寺から伝わった西円寺青蓮、等々です。
蓮の花の色も、ピンクのもの、白いもの、白の花弁に赤い縁取りがされたものなどがあります。
今年4つの寺へ数日おきに行って撮影した蓮の花の写真を掲載します。
蓮の花の美しさ、浄(きよら)かさが目に飛び込んできたものです。
私が特に素晴らしく感じたものは、今まさに花開こうとしているのか、中が透けて光り輝くように見えた赤紫色の蕾の蓮です。
②南無妙法蓮華経と蓮
「南無妙法蓮華経」とは「南無阿弥陀仏」と同じように仏教徒が祈るときに唱える言葉です。
ご承知のように「南無妙法蓮華経」は「妙法蓮華経に帰依します。妙法蓮華経の教えを信じます」の意味ですし、「南無阿弥陀仏」は「阿弥陀仏に帰依します。阿弥陀仏の教えを信じます」という意味です。
ところで「妙法蓮華経」の現代日本語訳について、最近興味深いことを知りました。以前に手にした岩波文庫の『法華経』では「正しい教えの白蓮」と訳されていて、意味がちょっと分かりませんでした。しかし、先日読んだ植木雅俊著『仏教、本当の教え』に、次のようなことが書いてあり、納得できました。
・「妙法蓮華経」は元々のインドのサンスクリット語では、「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ(正しい教え・白蓮華・経)」です。
・形の美しいものでは蓮華が最上で、その中でも白蓮華が最たるものと言われています。
・そのため「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」は「白蓮華のように最も勝れた正しい教え」の意味で「妙法蓮華経」と訳されたのです。
なるほどと思い、八重と一重の白い蓮の花をよく見つめて写真に撮りました。