① おやつ発送のボランティア活動

奈良県田原本町の安養寺を訪問して数日後、インターネットで「おてらおやつクラブ」がおやつ発送業務のボランティア活動参加者を募集していることを知り、私も参加することにしました。

寺に到着して本堂に入っていくと、活動開始時刻のだいぶ前だったため、本尊が安置されている須弥壇の前に並べられた小さな腰掛に座ってお待ちくださいと言われました。

② グッドデザイン賞大賞の賞状

腰掛に座って前方を見ると、額に入れられた賞状が目に入りました。

賞状はグッドデザイン賞の最高賞である大賞のものです。

私が前回の記事を書いたときは情報として受賞を知っていただけでしたが、今、目の前に実物の大賞の賞状が展示してありました。

受賞内容は「貧困問題解決に向けてのお寺の活動 おてらおやつクラブ」で、授与者は内閣総理大臣です。

③ おやつの箱詰めの準備と説明

ボランティア活動参加者の指定集合時間前だったのですが、本堂内で既に2名の方が小型の段ボール箱をガムテープで組み立てていましたので、それを手伝うことにしました。

おやつを送る箱として90個強を作るのだそうです。

ボランティア活動の参加者が順次集まってきて10数名になりました。時刻も活動の正式開始時刻になり、事務局の若いお坊さんが挨拶の後、おやつの箱詰め作業の段取りを説明してくれます。

「箱には発送先のナンバーと子供の人数、年齢が書いてある紙が入れてあるので、それを参考にして須弥壇の前に並べた大きな箱の中のおやつや野菜そして食品を発送用の小箱に入れてください。

母子家庭へ送る箱がおやつなどで一杯になったら、ナンバーが書いてある紙にはメッセージ欄がありますので、そこに皆さんからの励ましの言葉などを書いてください。

そして箱と紙を本堂出入り口付近の事務局員のところまで運んできてほしいです。

事務局で発送先の伝票を取り付けます。今日は送付先の数が多いので、作業が終わるのは5時を回るかもしれません。

なお、このボランティア活動は途中からの参加も、途中での終了も自由ですので、ご自分の都合に合わせて行ってください」

④ 箱詰め作業実施

説明された内容に従って箱詰めを開始しました。

この時点では既に事務局の人の手によって、それぞれの箱の中に3キログラムの米が入った袋が入れてありました。

私たちは、お寺にお供えされた物のおさがりや支援者から寄贈された物の、和菓子、クッキー、煎餅、チョコレート、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、ジャム、うどん等を箱の中に少しずつ入れていきました。

子どもさんが3人で育ち盛りだから、食べ応えのあるものの多い方が良いなとか、小さなお子さんの家だから、可愛いいお菓子が喜ばれるだろうなと考えながら箱詰めしていきます。

紙にメッセージを書くときには、この箱によって一時でもその家族に笑顔が溢れると良いなと思いました。

⑤ 作業完了

本堂の畳の上での腰を曲げての作業であり、箱も中身と共に重くなってきますから、腰がだんだん痛くなってきました。

しかし、ボランティア参加者が途中からどんどんと増えてきたおかげで、箱詰め作業は約2時間で完了しました。

本堂の階段と出入り口近くに発送ラベルの貼られた箱が積み上げられました。

あとは運送会社のトラックが集荷に来るのを待つだけとなり、ボランティア活動は終了となりました。

今回活動に参加してとても印象に残ったことは、ボランティア活動に参加されていた人たちの人柄、顔つきが非常に良かったことです。

貧しい母子家庭のために少しでも役立ちたいという各人の気持ちが、爽やかな表情を生み出しているように思いました。

写真
グッドデザイン大賞の賞状
並べ始められた果物、野菜、菓子
おやつの箱詰め作業
発送準備完了のおやつの箱