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①奈良盆地の西南端にある御所市

御所市(ごせし)は奈良盆地の西南端にあり、西に葛城山と金剛山の雄大な姿を見ることが出来るところです。

山麓には葛城古道と呼ばれる古い街道が通っていて、道沿いには由緒ある神社や寺が多くあります。

また、葛城古道の東側にはほぼ平行して国道24号線があり、奈良県橿原市から和歌山県新宮市までの日本で最長距離の一般道を走る路線バスの一部区間となっています。

②オオデマリの里、船路

その24号線を走るバスを「船路」(ふなじ)停留所で降りると、早速「オオデマリの里 船路」と書かれた看板が迎えてくれました。嬉しくなって矢印表示に従い、船宿寺(せんしゅくじ)の参道へと向かいました。

船宿寺はちょっと名前が変わっていますが、これは寺の始まりが、船の形をした大きな石の傍らに仏様を祀ったことによるためだそうです。

足取り軽く行く道のそこかしこに白い大手毬がモコモコと咲いています。家々の庭にも咲いています。本当に「オオデマリの里 船路」だなぁと思いました。

船宿寺の駐車場に寺の案内板が立っていて、この辺りに船の文字がつく地名が多いことの理由が書いてありました。大昔に大阪湾の海面が上昇して河内湖を作り、この地まで船で行き来が出来たためとのことです。

③花の寺、船宿寺

船宿寺は花の寺として有名で、特にツツジが美しいそうです。私が訪ねた時は少し時期が遅くツツジは盛りを過ぎていましたが、大手毬はピークでした。

毬のように丸く白い花がたわわに咲いていて、落ち着いた本堂を飾り、木々の緑と青空に映えていました。

本堂の裏手へ行くと、石楠花(しゃくなげ)が白やピンクの色の花をつけていましたし、水辺には九輪草が咲いていました。九輪草は一本の茎の周りに花が何層も咲き、お寺の三重塔などの上にある「九輪」に似ているところから、 その名が付いたと言われています。

④花は佛さま

今回、船宿寺を訪問して私が興味深く見つめたものは本堂の前に置いてあった金剛華菩薩(こんごうけぼさつ)の画像とその説明版でした。金剛華菩薩(花菩薩)は真言宗でよく話が出る曼荼羅(まんだら)に描かれている菩薩のひ とつで、花を両手で持っています。

説明版には次の言葉が書かれていて、そういうものなのかと勉強した気持ちになりました。

機会があったら、何というお経にどう漢文で書かれているのか調べてみる積りです。

「お釈迦さまは、花はそれぞれ佛さまだと説き、『花を見て美しい心、優しい心を学び、そして、暑さ寒さを耐えて咲くその姿より、忍耐も身につけてください。』と教えておられます。」

写真
満開の大手毬
船宿寺の案内板
船宿寺の山門
大手毬と本堂
水辺に咲く九輪草
「花は佛さま」の説明版