●『飛鳥から遥かなる未来のために(白虎・後編)』

朝皇龍古(あさみりゅうこ)著の歴史小説、『飛鳥から遥かなる未来のために(白虎・後編) ~聖徳太子たちの生きた時代~ 』が出版され、約1ヶ月が過ぎました。

そこで、AMAZONのブックレビューに投稿された内容から、この本の評判をまとめてみました。

●遣隋使

・これからの国造りに必要な人づくりが遠大な思想のもと、大国隋との交流で着手されようとしているのがよく解る本である。

・(当時)隋は高句麗を攻めるために大運河を開削していたことや、国書の書き方の見本となるものがあったこと等々、読み応え十分であった。

・当時の遣隋使が国を代表して大国と渡り合う描写は素晴らしい。

●遣隋使の国書問題

・「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す、・・・」という国書は、大国・隋と対等外交をしようとして書かれたものなのか、以前から興味があった。

・(隋の皇帝が「無礼だ」と怒ったと言われる)国書問題にどのようにして取り組み、解決を図り、日本と隋の交流が始まったことなどが書かれていて、興味深い。

●心理描写が素晴らしい

・来目皇子(聖徳太子の弟)の遺児への王家の人達の細やかな人間としての配慮と優しさの心理描写が素晴らしく、読む者に涙を誘う。

●勝鬘経の講義が国造りと結びついていたことを知った

・子供の頃、教科書で知り得た限定的な知識でしかなかったが、本書を読んで、太子の仏教への興隆の姿勢が改めて伝わってきた。

・自利利他の仏の教えを広めていく試みも始められ、王家皇女から次第に受け継がれていく様子は、聖徳太子による新しい時代が創造されていくのがよく解る本だ。

●【追記】再来年は聖徳太子の1400年遠忌の年

近年の歴史研究の結果では、再来年(2022年)は聖徳太子の1400年遠忌の年にあたります(『日本書紀』上では来年の2021年)。

そのため、世間的にも聖徳太子が注目されると思いますので、当ホームページで法隆寺や聖徳太子について述べる機会を多くしています。