鑑真和上像と言えば
鑑真和上像と言えば、唐招提寺の御影堂に安置されています国宝の鑑真和上坐像が有名です。慈愛あふれる表情の中に毅然たる意志の強さを感じさせ、肖像彫刻の最高傑作と言われています。直近で像を拝観できない私には見てとれませんでしたが、写真などによるとまつ毛やあごの髭まで描かれています。
東大寺にも安置されている和上像
唐招提寺・御影堂の鑑真和上坐像のように有名ではないのですが、東大寺にも重要文化財の鑑真和上坐像が安置されています。安置されている場所は東大寺の戒壇院で、像は江戸時代に造られた木造彫刻です。唐招提寺の像を模して造られ、彩色されています。こちらもほとんど公開されていません。
考えてみれば、鑑真和上像が東大寺にあってもおかしくないですね。なぜなら、鑑真和上が日本へ来て最初に住んだところが東大寺であり、東大寺の大仏の前に壇を設けて天皇始め皇族や僧に授戒をしているからです。授戒とは正式な僧侶として認定し、真の仏弟子になる導きをすることです。江戸時代に戒壇院の受戒堂が復興されるのですが、それに合わせて鑑真和上の木像が造られたと推測されています。
今年、東大寺の鑑真和上坐像が里帰り
平城京遷都1300年を記念して、今年の11月26日(金)から12月7日(火)まで、東大寺の鑑真和上坐像が鑑真和上のふるさと中国・揚州市の大明寺に里帰りします。唐招提寺の鑑真和上坐像は1980年に里帰りをしていますから、今回は東大寺の鑑真和上坐像が里帰りすることになったのです。和上坐像が帰郷する大明寺では東大寺や唐招提寺の高僧も参加して里帰り法要が行われる予定です。